在りし日の小次郎
私自身事務所のホームページがあるが、運営サイトから、「お客様の声」をあげないと集客につながらないので、「お客様の声」をサイトにアップしてください、アップしないホームページは意味がありませんよ、という趣旨の案内が何度も来る。
私は掲載していないためであろう。
試みに、弁護士のサイトで、顧客の声というものを掲載しているものをいくつか見てみた。
個人的な感想から言わせてもらえば、うさんくさいものが多かった。もちろん、ああ、この人だとそうだろうなというものもあったが。
無理矢理顧客に言わせているのではないかというもの、ここに記載されているような仕事は絶対に絶対にしていないことを同業であるがゆえに知っていることから、サクラか架空の顧客に話をさせているのではないかと思われるものなどが散見された。
サプリメントなどを買う時に、「これを飲んだら激やせしました」というような声があったり、テレビで「膝の痛みが消えました」とか言っている場合があるが、あれは、俳優であったり、サクラであったりするということも聞く。どうもあれと同じようなものに見えてしまうのは私だけであろうか。
私は自身が解決した事件の一部を掲載して我が事務所がどういう事務所かわかってもらおうとはしているが、事件によってはいい解決をしても掲載出来ないこともある。
また、どのようにしても敗訴することが最初から見えているが、和解目指したり、負け方をましなものにするために事件を受けることもあり、そういう事件で、「負けました」とも書けないし、「本当は100%負けるところを50%にしました」ということも書きづらいし、「本当は100%負けの事件でしたが、和解することが出来ました」とも書きにくい。
以前の弁護士を解任されて事務所に来られたケースで、口コミでいい先生だと紹介されたが、ものすごいいい加減な仕事をされているケースもある。
逆に、全くホームページなどはないし、宣伝などもしていないが、ものすごく丁寧ないい仕事をされる先生もいる。
一般の方からすれば、弁護士を探すのは難しいと思うので、他のお客さんの声があればよいというのはわかる気もするが、なんとなく気乗りしないのである。