在りし日の小次郎
自宅への帰り道、JRに乗っていた。電車は混み合い、私は四人がけのイスの通路よりにもたれて、ドアのところに立っていた。
私の背中は、四人がけのイスの手すりに当たっていた。
そうしたところ、乗ってきた初老の女性が、イスの背中の部分から出ている手すりにつかまりたかったのであろう、もたれている私の背中と手すりの間に手を入れてきて、手すりを掴んできた。
何するねんと思ったが、その初老の女性は、後で見ると杖をついていて、足が悪そうであった。
座っている人が席を譲ってあげれば、私も背中のところに手を入れられなくてすんだのであるが、混んでいる電車に乗る足の悪い方はたいへんである。私もかつて膝を2回怪我をして、杖をついていたことがあるから、大変共感出来る。
でも、すいませんと言ってもらえたら、私も背中をどけたのであるが。
以上です。