在りし日の小次郎
職業柄、相手方から書面をもらうことが多々あるが、洗練された弁護士は、事実を指摘し、それについての評価を述べて主張を出してくるが、書面は洗練されていて、無用のあつれきを産むようなことは書いていないことが多い。まあ、言うべきことは言うが、余計なことは書かないという感じである。私も出来るだけそのようには気をつけている。
しかし、中には、「これをどうして書くのだろう」という書面をもらうことがある。
相手方にも依頼者がいるが、こちらにも依頼者がいるので、相手方の書面にこちらの依頼者がとてつもなく頭にくることが書いてあったりすると、話し合いが出来る可能性がある事件でも、こちらの依頼者も意地になってしまい、解決出来なくなってしまう可能性が高くなってしまう。
紛争をどこまでも拡大していって、着手金をたくさん取りたいのかとも疑いたくもなる場合もある。
どこまでも強気で書かれていて、「どう着地点をつける気かな」と頭をひねる書面もある。
紛争はいつか解決されることが望ましいものであり、どこまでも紛争を拡大するような書面の書き方は避けた方がいいというのが私の考えである。