弁護士の慣例

中隆志

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 弁護士の慣例で、「こういう場合、そっちがやるべきなんだけどな」ということがあるが、そうはいえない時がある。
 こうした場合に、「私としてはこう考えているが、先生の方のお立場もあるので、私の方でしてよいかどうか問い合わせさせていただきました。」というような問い合わせをすることがある。
 これは、「本当はそちらが率先してしないといけないのよ。気づかないから、こちらがサジェストしてるんだよ。」という意味なのだが、額面通り受け止めて、「中先生の方でお願いします。」とやられてしまうことがある。
 経験が少ない弁護士に、やはり、こういった回答をされることが多いように思う。
 弁護士として、勤務弁護士の経験をしてたら、ボスからそうした指導もされるであろうし、ボスの仕事ぶりをそばで見ていて、自然とそうしたところを盗むというところもあるだろう。
 修習が長かった時は、弁護士から話を聞く機会も多かったこともある。

 普通、そっちがするだろうということについて、お願いします、とやられると、こいつは分かってないわ・・・となってしまうので、弁護士には、言外のニュアンスを感じ取る力が必要でもある。

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