在りし日の小次郎
若手弁護士が事務所に入所して、経営弁護士から指示をされることがある。
たとえば、「これを検討しておいて」という指示を受けたときに、その検討しておいて欲しいことだけやったとしたら、100点満点中30点くらいである。
検討してみてといわれたとき、実は既に経営弁護士は自分なりに検討済みであることが多い。
その上で、検討結果だけを出してくるのではなく、この検討結果だと、その先の展開としてこうした方が依頼者に有利であるからこういうのはどうでしょうかと自分なりの事件についての見通しまで持ってきて欲しいのが経営弁護士である。
私などは、自分が勤務していた頃、事件の担当となったときには、それだけのことはしていたのである。
こうなってくると、経営弁護士も、細かな指示を出さずとも済むし、「よし、この事件は彼に任せよう」となるのである。
しかし、言われたことだけやって来られると、「いちいち指示を出さないと、出来ないのかなあ」と思われて任せられない。
そこまで勤務されている側は評価されているということである。
もちろん、指示されたことすら出来ないものもいるが、そうした若手は論外であろう。
時給1000円以下でアルバイトしている人が多数居る。非正規雇用の若手もたくさんいる。その中で、弁護士が、給与水準が下がったとはいえ、それなりの費用を依頼者からもらい、また、事務所からも世間と比較すればまだ高額の給与をもらえている意味を考えている若手はどれだけいるであろう。
登録した以上、その日からプロなのである。
それを忘れてはならない。
以上です。