在りし日の小次郎
日本人は、流行するとどっとそれに乗りたがる民族のようである。明治維新の時は、それまでのちょんまげを棄てて、西洋風のザンギリ頭にすぐにほとんどの人は変えたし、その際に廃仏毀釈ということで、僧侶が仏像を焼いていたというような話も聞く。
ある意味、極端なのである。政治情勢についても、人気があるうちはいいが、ある出来事を境に一瞬で人気が地に落ちたりしうるのはそうした性質とも無縁ではあるまい。
おぼろげな記憶だが、過去、ナタデココがものすごく流行ったことがあった。これはナタデココの食感がイカの食感に似ているため、日本人の好みに合うということで、爆発的に売れた記憶がある。
そのため、東南アジアのある国では、これを当て込んで畑をみなナタデココの原料であるココナッツ畑に変えて、設備投資をしたところ、日本人がナタデココに飽きてしまい(今でももちろんナタデココはそれなりに売ってはいるが)、農家が大打撃を受けたという話も聞いたような気がする。
日本人の性質をよく知らずに設備投資をした農家も先読みが甘いとはいえるが、何となくその外国の農家があわれな気がするのは私だけであろうか。
爆発的に売れるとそのあとの凋落が待っているのは、食品業界だけではないようにも思う。政治の世界や、この弁護士の世界、芸能界等々みなそういうところはあるであろう。
西川きよしではないが、小さいことからコツコツとしていくほか、成功への道は遠いのではなかろうか。
以上です。