弁護士白書

中隆志

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 日弁連が毎年出している弁護士白書であるが、私の手元に届いた。京都弁護士会の法律相談センター運営委員会の委員長と、法曹人口問題検討プロジェクトチームの座長をしているので、弁護士会に何冊か届いたものを一部毎年もらえるのである。
 民事事件を見ていると、地裁の新受事件数は、2012年度で16万1312件であった。
簡裁の通常民事事件が同年で40万3309件、簡裁の調停が4万8627件。
 民事通常事件のうち、過払いは6万8844件(過払いを10万件とこの間いろんな弁護士に説明していましたが、割合が逆でした。慎んで訂正させていただきます)。
 簡易裁判所の新受件数のうち、過払い金が18万0603件。
 

 減ったとはいえ、過払い金がまだまだ事件としてあることに驚きを感じる。広告費をかけている事務所が減らないのもわかるところである。

 地裁で双方に代理人がついた割合は同年で45.2%。
 原告のみ弁護士が33.8%。被告のみが4.0%。
 当事者本人による割合が17.1%となっている。

 家事事件でみると、家事事件総数新受件数が85万7237件。うち、家事審判事件が67万2690件。家事調停事件が14万1802件。人事訴訟件数が1万1409件。

 これより前の推移は各自白書を買うなり借りるなりして見て欲しいが、弁護士の増加割合に事件が追いついていないことがわかる。
 簡裁の過払いには司法書士の選任もあるであろうし、地裁事件でも必ずしも弁護士がついている割合は高くない。
 年初にいろいろと考えさせられる数字である。

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