在りし日の小次郎
先日タクシーに乗ると、乗った瞬間に臭かった。
にんにくとかその手の臭いではなく、口臭の臭さというか、そういった類いである。
こういうときに、窓を一度全開にして中の空気を追い出せばいいのだろうが、なんとなく、「お前臭いやないか」と言っているようで、そうは出来ず、少しだけ空けてそこから入ってくる外の空気を吸っている。
酸素が水の中で足りなくなった金魚が水面でぱくぱくするように、やや左上方向に鼻と口を向けて、そこから入ってくる外の空気を吸うのである。
排気ガスも吸うだろうが、車内の臭さよりましである。
あるいは、これが加齢臭というものなのだろうか。
そうすると、知らず知らず、私も出しているのであろうか。
そう思いながら、ペーパータオルで、耳の後ろもきちんとふく私であった(加齢臭は耳の後ろから出るといわれているからである。)。
以上です。