在りし日の小次郎
小学生の頃、本で、「石油はあと30年くらいで掘り尽くされる」「石油がなくなると、生活にこんなに困る」というような記事を読んで、「大変である」と思ったことがある。
あれから30年が経過したが、石油は相変わらず産出されている。
当時判明していた油田からの可能な採掘量ということであろうが、将来の予測がいかに難しいかということのあらわれでもあるのではないかと思う。
将来を見通すことは難しい。将来どうなるかを断定的にいうことほど怖いことはない。
必ず元本保証しますとか、確実に年の利回りが15%とかということで資金を集めては倒れるという悪質被害が後を絶たないが、これもいわば将来を断定しているのである。
これを特に裏づけなく信用しして、なけなしのお金を預ける方にも自らのお金にいっそう注意をはらうべきではないかと思うのである。
そんないい話は世の中にはないのであるし、それがどうして自分に持ちかけているかという疑問を有するべきであろう。