在りし日の小次郎
※ これは2012年の記事の再掲載です。
この間、AKBの総選挙があった。私の事務所の勤務弁護士が推しているメンバーは、昨年と順位が同じだったということで悲しんでいた。
テレビ中継もされて、話題となっていたようである。
先日、コンプガチャの規制を話題にしたが、このAKBの総選挙の投票権というものは、CDを買うと一票投票できる仕組みだと理解している。
好きなメンバーの順位を少しでもあげるために、数百枚のCDを買う人もいるというし、テレビインタビューで、「自分の会社には、ボーナスを全額つぎ込んだ猛者が居た」「私は20枚ほどで、猛者にはとてもかないません」などという話が出ていた。
たくさん買った人は、投票した後のCDには用が無くなるので、友人知人にあげたりするようであるが、こうした人の友人は同じようにCDを買っているので、「すでに持っている」ということであげられないので、結局中古ショップに大量に売却されたりするようである。
なんとなく、コンプガチャと同じにおいがするのは私だけであろうか。抱き合わせ商法は独禁法で禁止されており、投票権欲しさに不要なCDを購入させるというのは、これに当たるのではないだろうか。エニックスが入手しづらいドラクエのソフトを他のソフトと一緒に販売しようとしたのと同じな気がする。
そもそも、こうしたCDの売られ方が、正常なCDの売られ方であるかどうかということには疑問がある。
時間があれば法律上の問題についてさらに突き詰めることも可能かと思うが、投票権というものを目当てに本来消費者からすると不要なCDを購入させているということで、消費者保護の観点からしてやはり問題のあるやり方、商法のように思われる。
もちろん、投票権が欲しくなければ買わなければいいということにはなるのだが、「どうしても欲しくなる仕組み」自体が消費者保護の観点からして問題があるだろうと思うので、法律で規制される日が来るかもしれない(既存の法律に抵触する可能性は、今はこれ以上突き詰めて調べていないので分からないが)。ただ、政府が自殺防止のキャンペーンに使用しているくらいなので、政府からはAKBを規制する法律を作ろうとはしないかとも思うのである。
もう一点疑問なのは、本当の人気を調べるのであれば、一人一票が正しいのではなかろうか、とも思うのである。逆にコアなファンからしたら、一人気に入ったメンバーに大量に資金投下して、上位に食い込ませることが可能で、そうしたファンからしたらこのやり方でないとダメなのかもしれないのだが。。。
また、自分たちのCDが大量に不要物として扱われているというのは、アイドルとしてどうなのであろうかとも思ったりもする。
100万枚売れたとしても、平均して一人100枚買っていたら、もしこうした仕組みがなければ、結果的には一万枚しか売れていないのと同じになるであろう。
ちなみに、私はAKBを批判しているのではなく、法律家として、CDの売られ方を批判しているのであり、ファンの方は怒らないでくださいね。私もAKBは別に嫌いではありませんので(カラオケで女性と一緒にたまに歌いますし。。。)。