在りし日の小次郎
先日、弁護士同士で食事としていると、アルバイトの女性の手が私のビールのコップにかかり、これが見事に私のスーツのズボンの右足を全て濡らした。
大学生くらいのバイトの子なので、叱ることもしなかったが、「大丈夫ですか」と言われたのには、さすがに右足がずぶ濡れであったので、「大丈夫ではないね」とは答えた。
まあ、腹が立たないかといえばそうでもないが、声を荒げるほどのことでもないし、冬物のスーツでもうすぐクリーニングに出す予定でもあったし、アルバイトの若い子が、私のような色黒でダークスーツを着ていて、声が低くてよく通るとみんなから言われているオジサンから怒鳴られたら、バイトをやめてしまうであろう。
一応、バイトの女の子は店の人には言ったようで、後にタオルとクリーニング代は持ってきてくれた。
固辞するのも余計にどうかなと思ったので、ありがたく頂戴しておいた。
その後、アルバイトの女の子はずっと凹んでいたが、まあビールをぶっかけたのが私でよかったというところはあるかもしれない。
二次会に行く頃には既に私の体温で乾いていたので、特に痛痒も感じなかったし。
まあ、でも、飲み物が置いてあるテーブルに何かを置くときには注意をして欲しいもんである。