現地調査

中隆志

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 裁判を出して、相手方に書類が送達出来ないことがある。書類が送達出来ないと、裁判所から「調査してください」といわれる。
 書類の送達自体は裁判所の職権で行うのだが、職権発動を促す意味で、訴えを出した方が相手方の住所地を調査することになる。
 どこにいるか分からない人を調査するのはけっこうやっかいである。
 住民票をあげて、送付した時に、「宛所尋ね当たらず」で戻ってきた場合には、現地調査に行って、そこに該当の人がいないことを報告をあげればよいのでまだよい。
 問題は、「不在」で戻ってきた場合である。
 その不在は、「永久に不在」なのか、「一時的に不在」なのか「たまたま不在」なのか分からない。たまたま不在の場合なら、郵便局に書類を取りにくるであろうとは思うが、取りに来ない人もいる。
 せこせこと現地調査に行くのだが、現地にどんな人間がいるかも分からないので、うちの事務所では事務員さんには絶対に行かせない。弁護士自ら行くのである。
 そして、ようやく報告書をあげて裁判所に出すと、裁判所の書記官は、自分がするわけではないから、「これでは足りないから、こことこことここを調べろ」ということを言ってきたりする。
 中には、「そんなもん調べられるかい!」という内容のものもあり、その場合には書記官に食い下がることになる。
 書記官の方は、気楽に、「何回も調査に行ってもらわないと」などというが、他の予定も詰まっていたりするので、そうそう気楽に何回もすぐに行ける訳ではない。
 職権なんだから、書記官が自分で調査せんかい、などと思ったりすることもある。
 裁判を出している方なので、仕方がないところはあるのだが、時々偉そうな書記官もいて、こちらもむかっとすることがある。申し訳ないんですが・・・という感じで言ってくれるならいいが、頭ごなしの書記官もいるので困る。
 裁判所ももう少し人間教育をした方がいいと思う人物に遭うこともある。
 以上、グチでした。

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