在りし日の小次郎
私が気をつけていることの一つに、「事件に入り込みすぎないこと」ということがある。
依頼を受けた事件に対して全力で取り組むことと、弁護士自身が当事者化して事件に入り込みすぎるということとは一致しないと考えている。
当事者と一体化した結果、客観的な見方が出来なくなったり、当事者に取り込まれたり、見えなくなったがために弁護過誤的なことを起こしてしまう例を垣間見ることがある。
事件がうまく進まない時には、客観化して見ることが出来ていない時もあるだろうし、思い込みにとらわれている時もあるだろう。
もっとも、自省はしているものの、こうした態度を貫くことは難しいともいえる。