在りし日の小次郎
敦賀に行った際、帰りの特急が自由席しか空いていないということで、京都まで立って返るのはつらいと思っていたら、ちょうど湖西線経由で京都まで行く新快速があった。
これに乗って帰ることにした。席も空いていて、ラクに座れた。
外は一面雪景色である。湖西の北の方も、深い雪に覆われていた。
村上春樹を読みながら、ゆったりと帰っていたのだが、湖北で、オバサンの集団がドヤドヤと乗ってきて私の周りと、通路を挟んだ席に座った。
これがものすごくやかましい。
声が大きく、ずっと話をしているのである。
途中で村上春樹を読むのをやめて、寝ようとしたが、うるさすぎて中々寝られない。
私の前の席のオバサンは、どうも私に話しかけたいようで、私の方をちらちらと見たり、私が鞄につけている真田幸村の家紋入りの鎧の肩当てをわざわざ顔を近づけて見たりしてくる始末である。
私は絶対に話をしたくなかったので、寝たふりをしたが、そのうち温かいのと揺れとで寝てしまったが、電車で集団で座ってくるおばさんのパワーには、いつも圧倒されてしまうのである。