在りし日の小次郎
夕方から事務所で酒を飲んで起案する弁護士がいるがどう思うかと聞かれたのだが、そのことについての私の考えは、「ありえない。プロ根性まるでなし」である。
仕事が完全に終わって、缶ビールを飲みながら雑談することはかまわないだろう。
また、たとえばだが、機械的作業ならありうるかもしれない(エクセルデータに数字をひたすら入力するとか。ただ、これも正確性の問題があるので、避けた方がいいことに変わりはない)。
酒を飲んで気を大きくしないと書けないような書面は、内容が伴わないことが多いとも思われる。
夜書いたラブレターは出してはいけないと昔よくたとえで出されることがあったが、夜は神経が高ぶっていることが多い。
仕事は仕事、遊びは遊びできっちりと分けられない人間に、いい仕事が出来るはずがない。
酒が入らない状態であっても、夜書いた書面は、次の日にきちんと読み返さないと、危険でもある。
世の中にはいろいろな考えがあるだろうが、私個人はそのような仕事の仕方はしたことがないし、事務所の弁護士にも許していない。