在りし日の小次郎
先日本屋にいると、本屋で携帯で本を撮影したということで注意をされたらしい人が、女性店員に怒っていた。
「撮影したらあかんのか。どこにそんなこと書いてあるんや。」ということでえらい剣幕である。
女性店員二人で、いろいろと話をして、その男性をなだめようとしている。店員側は、正当化しようと必死の模様である。
法的にいうと、携帯で本を撮影しても、窃盗にはならないし、自分で見るだけなら、著作権法違反にもならないと思われる。
本屋で「撮影禁止」の掲示が明確にされており、止めても撮影を続けたという場合には、管理者の管理権を侵害したという理由で、態様がひどければ業務妨害とか、不退去罪などが成り立ちうる余地はあるが、そうでなければ止める法的論拠はないと思われる。
もともと購入の意思がないのに立ち入ると、住居侵入になるという見解もあるが、「もともと購入の意思がない」というところの立証が困難を伴うだろうし、開かれた空間である本屋に入ったところで、住居侵入罪が成立するというのは個人的には難しいと思われる。
ただ、モラル的にはどうかと思うことではある。
女性店員の言っていることが法的に正しければ、一瞬助けてあげようかと思ったが、法的に裏づけがないので、本屋を出た私であった。二人とも若い店員さんで、かわいそうな気はしたけど。
ただし、男性のしたことがモラル的にどうかということはまた別である。