在りし日の小次郎
民事の和解で、経済的に再生させてやりたい依頼者の事件を受けていた。
相手方は中々態度が堅い。
裁判官は、「和解出来なかったら出来なかったで、仕方ないですよね~」というような軽い態度であった。
ええかげんにせんかい。
裁判官にとっては一件の事件で、最高裁の目からしたら早く処理したい事件かもしれないが、その男が経済的に再生出来なければ、その男の家族や、親、その周辺に様々な影響も及ぼすのだ。そうした様々な人間模様を見ている弁護士からすれば、「和解できひんし、仕方ないし」ではすまされないのである。
もちろん、どうしてもぎりぎりに粘って和解が出来ないことはある。それは、対立する当事者がいる以上、仕方のないこともある。
しかし、そこに至るまで、どれだけ努力したかで、依頼者も報われることもある。
和解に対した熱意も見せず、脳天気な声を出してるんちゃうぞ、ホンマ、と多少柄悪くいいたくもなる(いわなかったけど)。
私が知る素晴らしい裁判官は、どうしようもなさそうな事件でも、熱意をもって、双方の利害を調整して、少しでもいい解決をしようという熱意を持っていた。
弁護士もいろいろだが、裁判官もいろいろである。
怒怒怒。