在りし日の小次郎
前の弁護士が解任されたり、辞任したり、あるいはその他の理由で、途中から事件を引き継ぐことがある。
これは、新たに事件を引き受けるよりも相当な労力がかかる。
既に事件は進行していることが多いから、その進行にある程度合わせなければならない。
また、依頼者は弁護士という職種に不信感を持っていることがあり、その点のケアも必要である。
さらに、前の弁護士から十分な引継ぎを受けられないことも多く、記録を精査して、依頼人に確認して、事件の全体像を把握しなければならない。
こうした事件は、まず私の場合、記録の精査から始まる。
しかし、弁護士ごとに仕事のやり方は異なるので、全ての経緯が記録にない時もある。私の事務所では、ほとんどの経緯は記録に綴られているので、あまりの違いに愕然とすることもある。
逆に、事件が遅延で何もしてくれていなかった時の方がやりやすいともいえるだろう(依頼人にとっては事件の遅滞はたまったものではないかもしれないが)。
一定割合でこうした事件は入ってくるものであり、そうした突発的事態に備えて、あまり仕事をためないようにしておかないと、対応出来ないのである。