在りし日の小次郎
弁護士の仕事の能力の大きい一部分として、「段取り力」がある。以前にも少し書いたが、これが出来ていない弁護士が以外に多いことに気づかされることがある。
たとえば、日程の調整一つにしても、仮押さえして連絡をしてもいつまでも返事がないのである。私は相手に記録が残るように、メールかファックスでこれを行う。
仕方がないのでこちらから督促をすることもある。
日程など、自分の手帳を見て、その場ですぐに返信すれば、数十秒で出来るものである。
複数の日程を押さえてファックスしている場合、そこにこちらは予定が入れられないことにもなる。
段取り力のなさから来るものである。
破産管財人や、相続財産管理人、後見人など、裁判所に申し立てられて、書類だけを見て就任を受諾するものがある。
しかし、これらは前提の状況や条件などの細かい話は全く分からないし、申し立てた弁護士の方も、円滑に業務を遂行してもらう必要があるので、通常は申立人の弁護士から連絡があり、日程調整をして事務所に来てもらうという流れになる。
ここ数ヶ月の例を見てみる。
先日もある管理事件で、大先輩の弁護士がすぐに連絡をくれ、極めて精緻な引継をしてくれて、さすがにベテランだと感じ入ったことがあった。
管財事件でも、申し立てた事務所が来てくれて、丁寧な引継をしてくれた事件もあった。
逆に私が申し立てた破産事件では、滋賀県まで私が出向くために日程をいくつか書いてファックスをして調整をした。
その一方で、いつまでも引継の連絡がないので、こちらから督促をすると、引継をすることなどまるで思いもよっていなかった模様で、電話で済まされた案件もある。これなどは自らのずさんな仕事ぶりを露呈しているのだが、こうしたことに思いもよらないのかもしらない。
このブログは、弁護士が身近な存在であるということをわかって欲しいと思うのと、あと、変な弁護士に依頼している場合、これに気づけるようにヒントを書くこと、新人弁護士や修習生が読んで少しでも実務に役立てて欲しいと思って書いているので厳しいことも書くが、こうしたずさんな弁護士にならないように段取り力をつけて欲しいと思うのである。