在りし日の小次郎
打合などで、ほかの事務所に行くと、依頼人の前で部下の弁護士や事務員を叱る弁護士がいるが、これは絶対にやってはいけないことである。
まず、依頼人の担当となる若手の弁護士に対して、依頼人は信頼感がなくなる。
また、依頼人の前で部下を叱る弁護士を見て、そんな人間に事件を頼みたくもなくなる。
これは、ひとえに自分がえらく見えたいという自己顕示欲のなせるワザでしかない。
しかし、本当に偉い人は、偉そうぶらない。
私のボスはそういう人であったし、今もそうである。
私も人前では部下は叱らない。
後で叱ることにしている。
ボスのボスは、夜飲んでいるときにさりげなくぼそっとだめ出しをして、お金を支払って先に帰ったそうである。
人前で叱るのはいけない。