ある休日

中隆志

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 ある週末に休日の当番弁護士にあたっていたのだが、やはり当番の出動があった。
 しかし、警察署に在監確認の電話をすると、勾留のため、今から外に出るとのこと。帰りは何時かわからなといということであった。前にこういうので、接見できたのが午後8時過ぎというのがあったっけ、といやなことを思い出す。

 一応昼過ぎに電話をすると、戻っているとのことで接見に行くと、この後すぐに裁判所に勾留質問に行くとのこと。
 こんな話は警察の担当者は言ってくれなかった。留置管理の担当者であれば、だいたいこういうことは教えてくれるが、当直だとそこまでなれていないのであろう。
 何とか接見でき、事務所へと戻る。
 その被疑者が連絡を取ってほしいと言っていたところへ連絡をする文書を起案して、電話をしても出られなかったので、速達で郵便ポストに投函して処理ができた。
 自称勤務弁護士のK君も来て仕事をしていた。Tシャツをかなりむっちりした感じで着こなしている。私も人のことはいえないが。

 その後、月曜日には書く時間がきっとない連絡文を起案し、依頼者へファックス。
 やれやれこれで帰れるかなと思っていたところ、電子メールの受信を確認。メール中毒の私はメールをチェック。
 共同受任している弁護士からの書面案であった。最終、私が確認することになっていたのだ。
 あちらも休日に出勤しているということであったか。ただし、文面には、「もう力つきたので帰ります。後はよろしく。。。」とある。きっと月曜日には私はこの起案を添削する時間はない。今日やるしかない。

 まさに力つきた感のある起案を全て添削し終えると、1時間半が経過していた。
 結局事務所を出たのはいつもとあまり変わらない時間であった。
 当番だけで帰ろうとせず、ついでに仕事をしてしまう貧乏性である。

 弁護士の仕事は手作業である。依頼者と打合をし、文書にまとめて、間違いがないか依頼者に確認を取り、そして文書を提出するという作業には時間がかかる。
 こうした余った時間に、けっこう弁護士はせこせこと仕事をしているのである。

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