在りし日の小次郎
司馬遼太郎の本を読んでいると、日本人には「名乗り」というのがあり、人に呼んで貰う時の名前以外に正式な名前があったということである。
坂本ナオナリ(漢字は忘れた)というのは、坂本龍馬の正式名ということであった。
西郷隆盛は、本当の名前は「隆永」だったらしいが、明治に戸籍を作るときに、「西郷どんの名前はなんじゃったかな」となり、「隆盛じゃ」として戸籍に載せたところ、後日西郷隆盛に聞くと、「隆永じゃ」となったが、すでに戸籍に載っていたので、そのまま通したという話もある。
私などでは、中又兵衛隆志などと名乗っていたことになろうか。
言霊思想がある日本では、みだりに本当の名前で呼ぶことは避けるべきという思想があったのではないかと思っていて、司馬もそう書いていたように思うが、詳しくは忘れた。
司馬遼太郎の考えたこと(新潮文庫。司馬遼太郎著。)のどこかにこの話は入っているので、興味のある人は読まれたい。
私は西郷隆盛の話をおもしろく読んだ。後で訂正しなかったところが、やはり大人の風を感じさせる。