在りし日の小次郎
作家の海音寺潮五郎は、本を読むのが好きで、仕事の合間に隙を見つけては本を読み、家人がお茶を運んでくると、ささっと本を隠して執筆しているフリをしたそうである。
生活がなければ、本ばかり読んで暮らしたいというようなことも言っていたような気もするが、そのあたりはうろ覚えである。司馬遼太郎も似たようなところがあったらしい。
私は弁護士の仕事以外はおそらく仕事として出来ない人間なのだろうと思ってはいるが、しかし、お金が有り余っていて、働く必用がなければ、仕事はやはりしないのではないかとも思ったりする。
それでは寂しくて、やはり仕事をバリバリしているかもしれないのだが、今は金が有り余っている訳ではないので、そんなことで悩む必用はなく、働くほかに選択肢はない。
仕事をしているから、趣味としての読書も時間が限られていてよいのかもしれないが、私も海音寺潮五郎の気持ちはなんとなくわかる気がする。
だからといって、仕事の手を抜いたりはしませんが。