在りし日の小次郎
子どもの頃にした最大のいたずらといえば、他人の家の台所のところの壁に穴を空けたことであろうか。
あまりよく覚えていないが、鉄の棒で一生懸命に壁に穴を空けていたそうである。
その家の人が、子どもが何かしているということで、ほほえましく見ていると、ゴリゴリと音がして、壁に穴が空いたそうである。前にも書いたかもしれないが。
故人となっている母方の祖父が、大工仕事が出来た人であったので、平謝りに謝り、祖父が壁をセメントで修理したという記憶であり、その家の壁の穴を塞いだセメントは周囲の壁の色と違っていて、白く、しばらく私が空けたところは明瞭であった。
そのうち、高速が前を通り、騒音のため窓を空けられないという理由で、冷房を設置するだとか、なんとかでその並びの家は綺麗になっていた。道路公団からお金が出たのだ、というような話を聞かされたが、本当であったかは分からない。
そのため私が壊したところもなくなってしまったが、子どもは時に分からないことをするものである。