読書日記「百年の孤独」
薬を発明して、それがある細菌(又はウィルス)に効くとする。
その薬により、細菌は死んで病気が治癒の方向に向かう。
しかし、細胞というのは分裂の過程で、コピーミスをすることがあるため、元々の細菌と違うタイプの細菌が現れることがある。この新しい細菌が、元々その細菌に効いてた薬剤が聞かなくなる性質を持っていると、これが今度は大増殖する。
そして、その細菌を殺すための更に新しい薬剤の開発がなされる。
そうすると、又その薬剤か聞かない新タイプが現れるということになる。
病院の中で感染するMRSAは、こうした経緯で生まれてきた菌である。あらゆる薬剤に耐性を持つので、人間が元々持っている自然治癒力に頼らざるを得なくなり、老人などは治癒力が低下しているから院内感染で死んでいく。
西洋医学の限界ともいわれている。
私も喘息もちなので、薬に頼って生きている人間であるが、こうした話を読むと、西洋医学の限界が見えるような気がする。
そのため、漢方薬が見直されているという話も聞く。
また、薬に頼るのではなく、人間の自然治癒力を最大限活用して病気を治すべきだという本も結構出ている。
その一方で、やはり抗生物質が発明されたおかげで、多くの命が救われたこともまた事実であり、極論に走るのもまた違うのではないかという気もする。
新型インフルエンザが怖いのは、新たな遺伝子構造を持っているので、既存の薬剤が効かない可能性があるためである。
過去、ジンギスカンが世界をほぼ制覇したのは、騎馬軍団の破壊力ももちろんあったが、ジンギスカンの軍が進むに連れ、疫病が流行り、モンゴル人は免疫があるので、耐性があったが、耐性のない欧州人は次々に罹患したためであるともいわれている。
疫病は本当に恐ろしいものである。