読書日記「百年の孤独」
高利でもお金が必用であれば人は借りる。その困窮につけ込んで高い金利を約束させることは、日本では歴史的に一定の制限がかけられてきた。
金利には規制をかけてはいけないとして、金利自由論を述べる人もいるが、実は日本でも一度法律上金利の規制を外したことがある。
詳しくは忘れたが、確か大正か明治の頃であったと思う。
その結果、高利にあえぐ人が増大し、社会情勢が一気に悪化した。
秩父困民党事件は、高利が原因だったと説いている本もあるほどである。
貸し手と借り手とを比較した時に、借りる側はのどから手が出るほど欲しい。貸す方も商売(違法高利金融を商売と呼んでよいかは疑問があるのだが)であるから貸したいが、要求の度合いからいえば借り手の方が強い。
その場をしのぐために、必用な現金を手にするために、金利のことまで頭が回らないのである。
それがためにヤミ金が跳梁跋扈した時代があったし、今でもヤミ金はいる。
貸金業規制法が本格実施されたが為に、借りることが出来なくなった債務者はヤミ金に走るという予測がされていたが、私が多重債務相談を聞いている実感ではそのような形跡は見受けられない。
どこかの大学の教授がヤミ金が増加しているというデータを示しているということだが、データは切り取り方によってどのようにも細工出来る場合もあるから、裏付けがあるのかないのか見極める必用がある。
金利を自由化してもよいという人は、大正の時代とは現代人は知識もあれば能力もあるというのかもしれないが、少し前まで高金利のことを何も知らず支払い続けていた人が過払いになっているという状態に多数あったことを思えば、そのような見解は誤りであることがわかる。
私は弁護士になってほどなく、この高金利と戦っていく長い戦いに入った男なので、高金利は許せない。
多数の債務整理事件、過払い事件を受けてきたが、最近はすでに完済した人の過払いもやったりしている。最終に支払ってからある程度の期間にしないと時効の問題はあるが、完済した債務があるのであれば、一度法律相談を受けてみることをおすすめする。
ただし、テレビコマーシャルや吊り広告を出しているような先はやめた方がいいと思う。