読書日記「百年の孤独」
司法改革の際に決定された、ロースクール卒業後5年以内に3回以内で合格しないと受験資格がなくなるという制度は撤廃すべきであろう。
まず、合格率については、各大学が、各大学のエゴで予定されていたよりもはるかに多い法科大学院を設置した為下がっているし、司法改革の見込みとは異なり、弁護士が関わっていく分野は全くといっていいほど増えていない(行政、企業内弁護士など)ことと、試験に合格するレベルに達していない受験生が多いことから、合格者は2000人強で推移している。
また、司法改革の根幹であった、裁判官・検察官の増員もされていない。
司法改革が予定していた制度設計は狂ったといわざるを得ないし、その狂いが修正されることはもはやない。
元々、司法改革を推進してきた議論は極めて拙劣なものであり、今から読み直しても、「こんな稚拙な議論でこんな重大なことを決めたんかい!!!」と突っ込みたくなるところ満載である。
受験制限についても、私が所属する「法曹人口問題を考える会」で調査したところ、単に数名の議論で、「不合格者が滞留するのはよろしくないので、受験制限した方がいい」「そうですね」の議論で終わっている。
小泉丸投げ政権が、杜撰な司法改革の議論をそのまま閣議決定した為、今こんなことになっているのである。一時は合格者が9000人にされようとしていたこともあったのである(これには相当法曹人口問題を考える会は抵抗して、日弁にも働きかけたりなどして、規制改革会議は数字を入れることは断念したが)。
合格率などの前提が崩れたのだし、昔は10数回受けて合格して、今立派に仕事をされている実務家も多いのだし、もう一度ロースクールに入れば受験できるとはいえ、この制度は参入障害であり、職業選択の自由を侵害していると思うのである。
そもそも、諸外国で試験に受験回数を制限しているところなどあるのだろうか。
受験制限は撤廃すべきである。
国の政策論という話で済まされる話ではなかろう。