読書日記「百年の孤独」
薄暗い病院だったことを覚えている。
私の年齢は小学校3年生であったか4年生であったか。
朝起きると父親も母親もおらず、父親が死に瀕するような状況で入院していると聞かされた。
その後、父親は回復し、今は殺しても死なないような顔をしているが、この病院に母親とまだ小さかった妹と一緒に電車に乗って通うことになった。
前にも書いたが、その病院の地下室には、うどんの自販機があり、母親に数百円貰ってはそこのうどんを食べに行くのが病院に行った時の私の常となった。
今となっては味も思い出せないが、そのうどんが旨かったということは覚えている。
薄暗く、父親が死ぬかも知れないといわれ、まだ小学生であったので漠たる不安を抱えて通っていた病院であったので、余計にその味が凝縮されているのかもしれない。
人それぞれ思い出の味があると思うが、それはきっと幼少の頃の記憶だろう。