読書日記「百年の孤独」
弁護士仲間と酒を飲んでいて時々いうのは、やはりこの仕事は澱のように疲れが溜まっていくということである。人間関係のどろどろとした紛争のただ中に入っていくので、澱のように疲れが溜まっていくところがあるのである。
ストレスを発散する機会を持たないと、この疲れによって病気になったりするであろう。私自身も多忙で喘息発作を起こしたりしたので偉そうなことはいえないが。
実際、鬱病になる弁護士もいるし、鬱病を治療して仕事をしている人もいる。
依頼者からも、時々、「先生、よくこんなこと仕事にされていますね。私は自分の事件一件だけでも体調がおかしくなりそうですのに。」と言われることもある。
自分の紛争を数十件抱えていたらそれは体が保たないかとも思うが、他人の事件であるからこそ出来るというところはあるであろう。
逆に依頼者は自分の紛争を他人である弁護士に委任することによって、そちらに任せたのだということで気が楽になることもあるであろう。
こうした澱のように溜まる疲れは、弁護士にとって職業的にやむを得ないところがあるとは思うが、この「澱」を時々体から追い出さないと、病気になってしまうのではないかとも思うのである。