読書日記「百年の孤独」
法律相談をしていると、交渉と権利を間違えている人にたまに出会う。
自分はこれこれこういうことをしたいのだが、相手がいうことを聞かないので不当だということで怒ってこられるのである。
交渉は相手のある話なので、相手がいうことを聞かなければどうしようもない。もちろん、様々な条件闘争やプレッシャーをかけてまとまるようにするということはあり得ても、最後に相手がそれを呑むかどうかは相手の裁量である。
不動産をどうしても買いたいというときに、相手が売ってくれないからと言って、訴訟には出来ないのである。
いったん契約をして、事情が変わった為にその条件を変えて欲しいが、相手がいうことを聞かないのは違法で許せないというのも、基本的には通らない主張なのである。事情変更の原則といって、事情が変わったので一定の制限を裁判所がかけてくれることもあるが、これは極めてレアなケースである。
権利の方は、相手がいうことを聞かなければ、法的手続に訴えることが出来る点で大きく異なるのである。
人にお金を貸して、どうしても返してくれない場合には、貸金返還請求訴訟が出来る、というような話である。
ただ、これはあくまで法的手続を取れるということにとどまり、実際に回収出来るかどうかはまた別物ではある。