書面を書く時
人柄がそれぞれであることから、弁護士もすべての依頼者と合う訳ではない。
私のボスはよく、これを「持ち味の違い」と言っていた。
何でもぴしぴしとはっきり説明して明快に進める弁護士でないと困るという依頼者もいれば、逆にあんまりぴしぴし言われるのがいやだという人もいる。ぴしぱしいうのではなく、時間をかけてゆったりと事件を解決していくタイプの弁護士もやはりいる。
時間が解決してくれるわタイプとでもいうのであろうか。
得意な分野も人それぞれである。
和解に持ち込むのがうまい人、また和解に持ち込んで自分に有利に持って行くのがうまい人、難しい依頼者に対して心を掴んで事件を解決する能力に長けた人、和解は苦手だが、理論的な事件で書面を書かせたり、尋問をさせたりするのがうまい人等々。
気の短い、長いもある。私は仕事中は意外に気が長いのだが、周囲からは割とそうは見られていない。
ただ、気が長いというのは漫然と待つのではなく、様々なことをしつつ、結果が出なくてもあきらめず、またさらにいろいろな展開を考えるということであり、単に待つのが平気というものではない。
弁護士の中には、単に待って、周囲がしびれを切らして解決するのを待つというタイプもいるが・・・・。
いずれにせよ、持ち味は違うのであり、ある弁護士にあこがれたからと言って、全く同じにはなれない。話し方などが似てくる発想が似てくることはあっても、基本的な持ち味はやはり人それぞれで、その持ち味をそれぞれが生かしていくほかないのだろうと思っている。