読書日記「百年の孤独」
滅多に映画は見ないのだが、最近チャンドラーのマーロウものを読んだので、ハンフリー・ボガート主演の「三つ数えろ」(原作は、「大いなる眠り」)をDVDで買って、日曜日の昼から見た。
チャンドラーは、ボガートが演じるマーロウが一番好きだったということなので、原作を読むときにはボガートを想像して読むといいかもしれない。
ボガートはただひたすらにかっこいい。たばこを吸う仕草、顔をしかめるそのしかめ方、酒を飲む仕草の一つ一つがサマになる。出てくる女優さんも皆驚くほどの美女である。
ボガートはハードボイルド作品では、ダシール・ハメットの名作「マルタの鷹」でもサム・スペードを演じてはまり役であったが、マーロウもはまり役である。
村上春樹の新訳で、チャンドラーの「ロング・グッドバイ」が出てから、マーロウというか、再びチャンドラーが脚光を浴びている。原燎という人の作品で出てくる探偵は、完全にマーロウをイメージして創られている。チャンドラーの短編全集も出ている(それも買ったのだが)。
最近古い歌とか、古い映画を見ているが、最新の映画を見なくとも、最新の歌を聴かなくても、古いものでも相当いいものがある。推理小説も歴史小説ばかり読んでしばらく読んでいなかったのだが、ここ二年ほどは推理小説も一定割合読んでいる。ヴァン・ダインとかも久しぶりに読もうと思って買い込んできたりしているが、読んだことを忘れて本棚に同じ本があったりする。時間があれば、横溝正史も読み返してみたいのだが、横溝正史はだいたい筋を覚えてしまっているのと、本格推理小説でトリックで「あっ」と驚かされるので、再読には適しないという思いもある。横溝正史も、「何度も獄門島を読みました」といわれるのが嫌いであるというようなエッセイを書いていた。
ともあれ、私は丸顔でクマのような顔なので、ボガートにはほど遠いのだが、生まれ変わったらああいうかっこいい男になってみたいものである。