読書日記「百年の孤独」
そのそこそこお歳の女性から返ってきた答えは、「そんなもん、そのへんどこでも竿出したら釣れるがな」という答えであった。なんというなげやりな答えであろうか。
それでも食い下がる私。
「そのへんと言っても、自動車でどの程度走ったあたりとか、何かないですかねえ。」
それに対して、
「自動車で5分でも10分でも20分でも走ったらええがな。」
なんというなげやりな答えであろう。
もう、この女性から答えを聞き出すのは不可能であると悟った私達は、釣り具屋をあとにした。我々が出て行ったあとで、ドアに鍵をかける音がした。
まさか、横溝正史の小説のように、この島ではよそ者は嫌われるのか?しかし、淡路島は観光地ではないか。
偶々昨日寝不足で、今日は5時に起きられなかっただけなのか、あるいは5時に起きているというのが虚偽であったのか、あるいは、昨日夫とケンカでもして機嫌が悪かったのか、あるいは私がなんとなく気に入らなかったのか、謎が謎を呼ぶ淡路島である。
突然前途を遮られて、意気消沈するS見会釣り軍団。
女性陣はまだすやすや寝ているはずである。彼女達は、温泉にゆっくり浸かり、朝ご飯を食べてからゆっくりと来る予定なのである。
そんな時間に我々は釣り場情報すら教えて貰えず、仕方がないので暗闇の中を走り出したのであった。
つづく。