読書日記「百年の孤独」
歳月を経ると、字や絵にも特殊な力が宿るというか、不思議な力が宿るという思想が日本人にはあるようである。
昔読んだ古典(題名を思い出せないし、ストーリーも若干自信がないが。違っていたら教えて下さい)で、ある寺の入口の門のところか本堂にいにしえの字の達人というか名人が書いた額がかけてあった。しかし、時の流れを経て、雨に打たれてかすみ、何が書いてあるかもわからないほどになっていた。
これを惜しんだある貴族が、これを修復するよう当代の字の達人に命じてこれが上から墨痕鮮やかになぞり、修復をして山門にかけておいた。
そうしたところ、俄に雨風が吹き起こり、稲妻がとどろき、額にかけられた字は雨に打たれて墨は洗い流され、元のとおりになったばかりか、字をなぞった男は稲妻に打たれて死んでしまったというのである。
歳月は時にただの物に神性を与えるというのが日本人の土俗的信仰のようであり、これに似た話はほかにもあったように思う。物に神性を感じる日本人であるので、木々や川など全てに神性を感じることは当然であろう。
元の原典と相当話が変わっているかもわからないが、なんとなく感じ入った逸話で高校生であった頃から20年以上経った今もなんとなく筋を覚えているので書いた。