読書日記「百年の孤独」
現地で9時頃まで釣るがあまり釣れない。そうしているうちにN村弁護士が事務員さん達とやってきた。なぜか手にはトマトが握られている。
「道で無人販売で売ってたんや。無農薬。」といいながらトマトをかじっている。よく分からない人である。
9時から釣り始めたN村弁護士であったが、この人が来てから少し晴れ間が出て水温も上がったのか釣れだした。ぐっすり眠ったN村弁護士は元気いっぱいだが、朝5時に起きた我々は少し疲れ始めていた。
その時、携帯が鳴った。私が出るとボスのF弁護士である。舞鶴で会議がある為、釣りには参加していない。そもそも司法修習生時代に磯釣りに行ってそこで足を大けがをして(どうも岩で切ったらしい。それ以来、釣りはやっぱり殺生をするからバチがあたったとして釣りは辞めたそうである)以来釣りはしないのだが。
何の電話かと訝しんで出てみると、「中君か。あのなあ。君僕が今日どこに行ったらええか知ってるか?」という。
「ええええええええ?先生舞鶴で会議ですよね?私は全然出席予定にしていないし知らないですよ。誰か出席予定の先生知らないですか?」
恐ろしいボスである。「舞鶴で会議」という極めてアバウトな内容だけ把握して宿泊ツアーに参加していたのである。
「ふんふん。そういえば、M先生は出はるはずやわ。」との答え。
私の方はそのM先生の携帯を知っていたので、ボスに教えた。それをメモする私のボス。
「助かったわ。舞鶴まで来たのに出られへんかったらアホみたいやしな」
だいたい、行き先も把握せず来ていること自体信じられないが…。
その後釣りは気温が上がったせいかぼちぼち釣れだした。シロギスも釣れた。
私は釣りに夢中になり、しばらく携帯電話のことを忘れていた。
しかし、その携帯電話は、この間何回も鳴り続けていたのであった。
つづく。