読書日記「百年の孤独」
高校生から大学生の頃まで、秋口になると、夜に咳が出て、3ヶ月くらい咳き込んで眠りが浅くなることが続いていた。当時は風邪を引きかけているのだと思っていた。
母親に聞くと、「そうか?そんなでもないのと違うか?全然きづかなかったわ」と言っていた。だいたい私の母親は、「昨日の夜は全然寝られへんかったわ」などといいながら私の咳に気づかないようなところがあるのである。そのうち、あまりに咳が続くので母親も気づいたらしいが、「生きていたら、そんなこともあるわ。うちなんか何回も死ぬかと思うくらいの目にあったけど、どうもないから大丈夫」で済まされてしまった。
今にして思うと、あれは喘息の咳だったような気もするが、いい加減な私の母親のせいか、当時は病院に行かなかった。当時病院に行っていたら、後に喘息発作で死にかけるということはなかったかもしれないのだが。
だいたい女親というのは、「昨日は全然寝られなかった」というようなことを言うようで、私の祖母も、台風が来た夜に、「昨日は一睡もしていない」ということを私の叔父に言ったようである。叔父は祖母が高齢なので心配して様子を見にいったら、すやすやと寝ていたそうである。
私の母親には、風疹で体にボツボツが出来た時に、見せたところ(もちろん子どもである私にはそれが風疹であることなどわかっていない)、「ちゃんと風呂で洗わへんからや」と怒鳴られて、風呂に入れられてごしごし洗われたこともあった。私の記憶では、当時医師に行ってから、「風疹のボツボツは水につけたらいけません」と言われた記憶がある。
一昨年喘息持ちだということがわかり、「今までわからなかったの?」と医者に聞かれて、「苦しかった時は何度もありましたが、過労とかかなと思っていました」というとあきれられた。
母親に、高校生とか大学生の頃に夜にものすごい咳き込んでたやろう、あれは喘息やったん違うかと思うのや、と先日話をしたが、私の母親は、「そんなことあったかなあ。全然覚えてないわ~」というだけであった。本当に覚えていないのかとぼけているのか、何か体の不調があっても私の母親には相談できないと思っている今日このごろである。