読書日記「百年の孤独」
ゴールデンウィークというのはたいていの人にとってありがたいものであるだろう。だいたい学校や仕事の年度始まりは4月であるから、4月で環境が変わることが多い。環境が変わって1ヶ月でまとまった休みがあり心と身体を休ませることが出来るのはありがたく通常はここで英気を養うことになるであろう。
ただ、ここで気が抜けることが5月病の原因になっているのではないかとも時々私は考えることがある。気を張って新しい環境になじみだした途端にまとまって休みがあるので気が抜けてやる気がおきないということもあるのではないだろうか。
4月の頭には数多くの学生やサラリーマンがあふれているのに、ゴールデンウィークを過ぎれば元の多さに戻っているように感じるのは私だけであろうか。学生は大学の授業をさぼり出すせいかとも思うが、サラリーマンは出勤時間は変わらないはずである。
5月病のせいで辞めてしまう人も多いのではないか。
私はといえば、働きだしてからも5月病とは縁がない。
今はだいたい暦通りに出勤しているが(多少は仕事を持ち帰ることもあるが)、勤務弁護士の時代はだいたいいくつかの休みをつぶして出ていたことが多かった記憶である。
また、勤務弁護士時代は谷間の日は事務員が交代で休みを取ることが多かったので、ボスも他の勤務弁護士も休んでいることがあったが、数年経つと事務所の中で手持ち事件が(ボスよりも多かった)もっとも多くなった私は谷間の日も出勤していた。
今は谷間にも期日が入ることが多くなったが、昔は裁判所もここには期日は入れようとせず、だいたい空いていたので起案をしようとしていたことが多かった。
しかし、いざ出勤すると、私以外に弁護士がいない日に限って事務所事件で「今ヤクザから取立に遭うから今日これから行っていいか」とか「仮差押を頼みたい」などという相談が入り、結果的には手持ち事件を増やしてしまい、さらに忙しくなったということもあった。
その姿を見ていた事務員からは、真面目に出勤したことでさらに仕事を増やして(しかも事務所の事件であるから私は定額の給与であることから自分は潤わない)しまった私に同情してくれていた。
しかし、事務所から給与をある程度もらっている以上、事務所に貢献することが当たり前だと先輩方から常々言われていたこともあり、そのことは苦にはならなかったし、来たことを悔やむ気持ちもなかった。
仕事とは本来厳しいものであり、事務員は予定があまり入っていない以上休むことは事務所内の合意でそうなったのだからよいが、弁護士がゴールデンウィークの谷間だからといって休むことの方がおかしいように思われたからである。ボスに関していえば、おそらく私が出勤しているので何かあっても何とかしてくれるだろうと思っていたというところもあったであろう。
ただ、ボスや他の勤務弁護士にそれを強要しようとは思わなかったのであるが。 仕事に対する姿勢というのは自分にとってのものであり、他の人に強要するということには限界があるであろうと思っていたからである。
このような考えで仕事をしていたし、今もそうなので基本的に事務所にいる間は仕事のことしか考えていないし、基本的に話題も仕事のことばかりであり、事務所内にいる間はおもしろみはないと思う。
ただ、弁護士として仕事に対して厳しい姿勢を持っていれば、当然にそうなってしまうと思うし、ほとんどの弁護士はそうであろう。それが専門職であるということであり、プロというものである。
五月病になっている暇などないのである。