読書日記「百年の孤独」
事件をしていると、相手方から、「あんたが依頼者をたきつけてこんなことをしているのだろう」と根本的に誤った指摘をされることがある。
だいたいこういう相手方は、自分がこちらの依頼者にどのように思われているかを理解しておらず、「弁護士がいなければ丸くまとまる」「直接話がしたい」などということを言ってくる。
こちらの依頼者はというと、直接話などしたいはずがないし、話をしてもまとまらないのであるが、「相手がそういうなら」「それで解決するなら」ということで私立会いの下で面談して、依頼者の期待は裏切られて、またもや相手方から傷つけられることになるのである。
中には紛争をたきつけたり紛争を起こしていると思われる弁護士もいないとはいわないが、大半の弁護士は紛争をいかに解決することが依頼者のためになるかを考えているものである。紛争を拡大して、争うことが弁護士の目的ではないのである。
相手方に対して弁護士が通知を出すとき、依頼者の意思でそうしているのである。われわれは代理人であり、依頼者の意思なくしてそのような行動はしないのである。