読書日記「百年の孤独」
連絡のつかない依頼者は困る。事件を依頼した瞬間、「自分の事件ではない」「頼んだから任せておけばよい」と思うのかもしれないが、あくまで事件自体は依頼者にふりかかったものであるので、依頼者から事情を聞いたり意向を聞いたりしないと出来ないことから、連絡のつかない、ないしはつきにくい依頼者は本当に困る。
それが原因で事件自体を辞任することもある。
過去、行方不明となって辞任の意思表示も出来ないのでそのままにしていた事件があるが、相手方などから「どうなっているのだ」という問い合わせに対して、「行方不明だ」という回答をすること数10回に及び、担当者が変わるたびに同じことを聞かれるので、やむなく、簡易裁判所で意思表示の公示送達(行方不明の人に書類を送ったことに出来る手続である)をして、辞任したこともあった。
ただし、辞任するときはあまり詳細に事情を書いてはいけない。元依頼者になるとはいえ、過去依頼者であったことは間違いがないから、依頼者にとって不利益となるような事実を事件の相手方に伝えるのは極力避けなければならないからである。
ときどき、自己を正当化するためであろうと思われるが、辞任の理由をくどくどと書いてくる弁護士もいるが、ヘタをすれば元依頼者から懲戒をされるおそれがある行為である。
でも、連絡がつくようにしてくれていたら、辞任などもしなくて済むのであるが。
やれやれである。