読書日記「百年の孤独」
実務家の責任感の一つとして、「締め切りを守る」ということがあげられる。提出期限を若干過ぎることはあるが、少なくとも期日にはそれなりの書面を提出出来る能力と言ってもいい。
書面を作成する時、小説家であれば、100%を目指すだろう。ところが、多くの場合、80%~90%まで達する時間が仮に1とすると、残り10~20%を完全にしようとする労力は2か3、ヘタをすれば10かかることもある。
法律実務家の書面は、100%のものを目指さなくともよいところがある。そこそこの書面を期限までに仕上げられる能力が重要である。限られた時間の中で複数の事件をこなしていくためには、そのような能力が必要なのである。以前にも書いた段取り力の一つであるといえるかもしれない。
書面を期限を切られて「出来ていません」というのでは話にならない。徹夜してでも仕上げないといけないのだという責任感が重要である。
多くの修習生の顔を見ていると、「責任感がない顔だなあ」という顔をしている。これはまだ事件に対しての最終責任がないからやむを得ないところがある。
ところが、実務家になり、しばらく経過すると顔つきが変わってくる。責任感のある顔になってくるのである。
ただし、中には、いつまでも責任感のない顔つきしかしない弁護士もいるが…。