ブログの限界

中隆志

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ときどき出演する三条ラジオカフェの番組でもそうなのだが、「事件で出会った面白いこと話してくださいよ。」とラジオ局の人から言われることがある。

 しかし、弁護士は事件に対して守秘義務を負っているので、事件の内容を赤裸々に話すことは出来ない。依頼者の同意があればよいが、通常は依頼者はそのような開示は喜ばないだろう。当事者を特定することなく、事件の内容も抽象化して話すことしか出来ないので、どうしてもおもしろみにかけてしまうのである。

 雑誌の取材に応じて事件の内容や弁護団会議の模様を話されていた弁護士がいたが、あれは元依頼者である被告人に了解は得ているのであろうか。あるいは、弁護団の中であった議論を公開することの同意は得ているのであろうか。

 弁護士は事件のことに関しては、誤解をされたとしても、あまり自分のために弁明することは避けるべきであろう。重い守秘義務が課されているからである。

 私なども話せば面白い話もあるのだが、事件の機密に関わることもあるので、話せないし、ブログでは書けない。公開されているという性質のものである以上、そこに限界があるのである。

 赤裸々に自分の考えや出会った出来事を書くのであれば、ブログではなく日記をかけばよいであろう。ブログというものは公開している以上、第三者を誹謗中傷するようなことも書けないし(●●弁護士はアホである、依頼してはいけないと書ければよいのだけれど)、そこに書いたことで世の中に何かのメッセージを伝えることが意図されている必要があるように思うのである。

 中には弁護士のブログで品のないブログもあるようであるが、弁護士は品位を保たなければいけないので(私は個人的には全然品位はないが、仕事中は心掛けているつもりではある)、弁護士として書く以上、表現には気を遣うべきであろう。

 こうした制限の中、いかに面白いブログがかけるか、日夜悩むのである(日夜というのはウソであるが)。

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