読書日記「百年の孤独」
調停や和解交渉中の事件で、裁判と裁判との間に全く連絡して来ない弁護士も多い。そして、訴訟の場で突然提案するのである。毎回依頼者を連れて行ってる訳ではないので、「検討します」とひと期日延びるだけになることも多い。まあ、提案すらせず、「もう少し時間が欲しいんですけど…」と言う人もいるが。
せめて1週間前か遅くとも2、3日前に連絡をしてくれれば、こちらの方も依頼者に電話をして意向確認が出来るのである。私は大体こちらの意向はファックスするように心掛けている。相手の弁護士が信用できない場合や微妙な事案では裁判所にのみ考えをあらかじめ示しておくこともある。
断るなら断るで、事前に決まっているであろうから、ファックスを入れてくれればこちらも考えを整理していけるにもかかわらず、現場で単に断ってくるだけの芸のない弁護士もいる。しかも、こちらの提案を断っておきながら逆に反対提案までしてくるのである。あらかじめ言っておいてくれれば、こちらもその反対提案を検討できるので、期日がもう少し円滑に進むのである。
しかも大体がその反対提案自体、とうていこちらが検討するに値しないかけ離れた内容であったりする。そんな提案したってこっちが和解出来るわけないやん…っ。という内容である。
こうした弁護士は、事件について見通しも立てていなければ、何も考えていないのである。相手方弁護士に対する節度ある対応をしていないことになるが、大体こうした弁護士はそれが問題であることを気づきもしないのである。本来紛争解決というのは極めて厳しい世界であるはずが、このようなのんびりした弁護士でも多少は仕事があるのである。
一般人からすれば、誰がよい弁護士なのかはわからないからである。
紛争解決のためには、相手方弁護士に対する適切な連絡などの細かい配慮が必要である。もちろん原則と例外があるので、同じ調子ばかりでやっていてはいけないが。
このあたりは場数を踏まないと分からないであろうが、仕事というものは厳しいのである。