ドメスティックな弁護士

中隆志

中隆志


テレビを見ていると国際弁護士が出ているが、私は逆にドメスティック弁護士(そんな言葉があるのかどうか良く分からないが)である。

 外国に関連する事件はやったことがないし(入管の事件すらない。二条通を挟んだS事務所のY下N子弁護士やそのパートナーでサッカー部のU村弁護士はたくさんやっているようで、非常にいい決定も取っているようである)、国際事件や外国企業とのM&Aは一生関係がないであろう。
 そうした事件をする弁護士がいて、物凄い収入を得ていることも知っているし、そうした事件に意義がないとは言わないが、私はそもそもそうした事件をするために弁護士になったのではなく、地を這うような事件をするために弁護士になったので、ドメスティック弁護士でよいと思っている(入管事件はドメスティック弁護士でも出来るというウワサもあるが…)。

 また、私は極めてドメスティックな男でもある。グローバル社会の時代に、外国に行ったことが3回しかなく、ハワイに行った時ですら、関空を離れた途端に大人しくなったのである。いつもは人の先頭をきって歩くが、外国にいると、兄弁のT中Sゲル弁護士を前に立てて後ろに回っていた。ホテルで物を聞くにも、常に事務員に聞いてもらっていた。しかし、関空に帰ってきた途端元気になっていたのである。

 シンガポールに公害環境問題の関係で調査旅行に行ったのが最後の外国旅行であったが、この時は役職柄調査旅行の団長であった。そのため、やむを得ず先頭に立たなければならず、最後の自由行動日には発熱して帰りの飛行機の中では熱のためぼうっとしていた。なにせ英語がわからないし、行ったことのないところに行くと緊張するのである。私が食事をする店が限られる理由がこれで分かってもらえたであろうか。

 たまに文庫本などで、リュック一つで東南アジアを回るという女性などの旅行記があるが(しかも1人!私ならまず1人で飯が食えない)、私には一生出来そうにない旅行の態様である。

 一念発起して独立した時に英語をやろうと思ってテープをいくつか買い込んだが、必要があまりないのでこれも今では自宅の書棚の飾り物である。大学時代英語を読んだら英語まで関西弁だと笑われた男には英語は無理なのであろうか。やらなければそりゃ無理だわな。

 現時点では、国際弁護士と対極にいる男が私なのである。

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