生活保護

中隆志

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先日日弁連の研修で生活保護の申請のノウハウというものを受けた。その中で、生活保護はそもそも申請の時点で申請させないようにあの手この手を行政側が使ってくるということと、弁護士が同行すればあっさり申請出来た事案のことが報告されていた。
 私は同行したことはないが、福祉事務所から調査したいということで、事務所で面談したことはあるし、「文句を言われたら一緒にいってやるから」ということで本人に行ってもらったことなどはあったが、同行するというのは知らないノウハウであった。

 真に生活保護を受けるべき人たちにとって、弁護士がそのような業務を行うことはまた有益だろう。多重債務者の生活再建を政府は叫んでいて、単に借金がゼロとなるだけではなく、その人の生活自体が成り立つようにしなければならないとして、生活保護の申請など、周辺のプログラムを今作ろうとしているようである。

 しかし、生活保護といっても財源は税金であるから有限であるし、生活保護を受ける必要もないのに受けている不正受給も現に存在する。生活保護を受けられるようにしていくことも重要だが、全体とのバランスが難しいところである。
 特に、日本は国自体が超借金地獄となっている状況下でもあり、福祉的施策はあればあるほどよいに決まっているが、どの程度とすべきかは収支のバランスを考える必要もあろう。ただし、全く不必要な支出も国の予算には多々あり(天下り団体への特命受注なんかがなくなれば、どんどん赤字は減るであろう。その意味でこの国を蝕んだのは官僚であるといえる。官僚がもっとも多い大学はどこでしょう)、そうした予算を削りつつ国を正常な状態に戻していかざるをえまい。
 日本が借金大国になったのは、過去のあまりにも考えのない税金の使い方に問題があったのであるからそれを今の世代に押しつけるというのも問題なのであるが…。

 真に自らの利益を顧みることなく国を憂える人物が出てもおかしくない時代なのであるが。幕末維新の最も偉大な人物である勝海舟のような人物が出て欲しいし、自分もそうありたいものである。勝を描いた小説としては、津本陽の「私に帰せず」に尽きる。

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