読書日記「百年の孤独」
ヘロドトス「歴史書」によれば、紀元前523年、古代ペルシアのカンビュセス2世の遠征軍は砂嵐に見舞われて砂に埋もれてしまったとされている。
当時の遠征軍が身につけていた武具などが今発見されれば考古学的にも、資産的にみても莫大なものであろう。砂漠の中に、2600年前の財宝が埋もれているかと考えるだけでも楽しい。
こうした夢想は笑われるのであるが、シュリーマンも神話と思われていたトロイを発掘したのであるから、いつの日かカンビュセス2世の遠征軍も掘り出される日が来るのではないだろうか。
このカンビュセス2世の財宝にからめて書かれた小説が、ポール・サスマン著「カンビュセス2世の秘宝」上下巻である(角川文庫)。読み出したら止まらないエンターテイメント小説は多々あり、読み始める時間を間違えると寝不足に陥るので注意が必要であるが、この小説もそうした小説の一つであると思っている。
このように、「確実にある」のだが「場所が特定出来ない」財宝というものは世界各地に存在している。
日本でも埋蔵金伝説は多数あるが、帰雲城のように、一夜にして地震で全てが地中に消えたというものもある。帰雲城は金鉱を近くに有していたため、その中には莫大な金銀が存在したはずとされる。このような例も「確実にある」のだが「どこにある」のかわからない例の一つである。
こうした財宝伝説は考えるだけでも楽しい。