読書日記「百年の孤独」
京都弁護士会の多重債務相談は昨年の4月から初回無料となっている。多重債務事件は受任すべき事件が多いのところ、事務所で聞く相談でも相談を聞いて受任する場合に着手金と別に相談料は貰わないので、受任がほぼ前提となっている相談であるし、多重債務被害の救済のために相談料が弊害となっていると予想されたので(5250円支払えるのであれば、返済か生活に回してしまう)、相談料無料化に踏み切ったのである。私も無料化にするについては、無料化を推進する方の立場でいろいろと根回しなどを行った。
その後相談件数は飛躍的に伸びている。しかし、弁護士の中には、「弁護士の業務は有償であるべきである」として、相談料の無料化には根強い反対をされる人もいる。これは理論上の問題というよりは、価値観の問題であろうと思う。価値観の異なるもの同士が議論をしても、平行線のままなのである。私は理論的問題点はともかく、5250円が弊害となって相談件数が減っていて、そのために弁護士へのアクセスに障害を来しているというのであれば、やはり多重債務相談について無料とするのは方向として間違っていないと思っているし、その後全国各地の弁護士会でも無料となってきている。
その一方で、私の事務所で聞く相談については無料と出来ていないが、実は本人には負担がかからないで相談をする方法もある。日本司法支援センターというところが相談料を代わりに支払ってくれる制度である。ご本人の懐は痛まず、弁護士には相談料が入るというシステムである。一定以上の収入がある人は利用できないなど収入面などの制約はあるが、通常のサラリーマンであればたいていは利用できる制度である。そして、特に相談内容について制限もないので、破産、個人再生、離婚、交通事故、借地借家、損害賠償などあらゆる事件について相談が実質無料で聞ける制度である。ただし、これにはその相談する弁護士が日本司法支援センターというところに登録している必要がある。私も登録弁護士であるので、相談料を支払うことが厳しいという方については、この制度を使用して相談をするのも一つの手である。申し込みは各弁護士事務所で書類を書くだけなので簡単でもある。