読書日記「百年の孤独」
私は万年筆好きである。小学校の頃、小説家か漫画家か野球選手になりたいというのが夢であった私は(サッカーは当時まだメジャーではなかった。キャプテン翼が始まる前だったので)、原稿用紙を買ってきて小説家のまねごとのようなことをしていたのであったが、父親に1000円の万年筆を買って貰ってそれで書いていた。今から思えば、小学生のままごとのようなものである。
何となく文豪というイメージに惹かれるところがあるので、こうして小さい頃から万年筆は好きであった。機構も複雑で、インク漏れをしたり、インクの詰め替えも容易でなかったりするのだが、それでも万年筆が好きである。
といって、私の字が空海のような達筆であるかといえば、ほとんど暗号のような字であり、事務員はほとんど超能力を駆使して何が書いてあるか読まないといけないような字なのであるが(自分ですら何をメモしたか分からなくなるときがある)、それでも万年筆の書き味にとりつかれているのである。
そんなこんなで、万年筆は20本くらいもっているが、既にがたが来て壊れたものや書きすぎて先がダメになったものもある。依頼者の話を聞いてメモしたり、証人尋問でメモをすると相当の字数を書くことになり、すらすらと書ける万年筆は必携である。20本は全て実用であり、使ってみて書き味がしっくりこないものや壊れたものは万年筆収納庫に片付けてあるのである。
以下に私の気に入っている万年筆を書いてみるが、書き味は個人個人の趣味なので、人によっては私と全く違ったことをいうであろう。
私が今よく使っているのは、パーカーのデュオフォールドで、以前使っていたパールアンドホワイトが来客中に書いていると軸がばりっと割れてしまったので、同じ型の黒色を使っている。これをスーツの胸ポケットにいつも入れているのである。パーカーのデュオフォールドは、未だにインク詰まりがしたことがない名品である。
事務所の机では、セーラーの長刀研ぎという万年筆を使っているがこれもまた絶品である。事務員に指示するメモを書くとき本当にすらすらと書ける。これもまたインク詰まりを起こしたことがない。ストレスのない万年筆である。
あと事務所の机ではモンブランの146というものも使っているが、書き味はモンブランはパーカーやセーラーに比べるとはるかに落ちる。かなり使い込んでいるが、私の手になじんでいない。これは好みの問題なのかもわからないが、そうはいってもやはりモンブランだけあって風格があり手放せないのである。
手帳用には、今イタリアのメーカーであるアウロラというメーカーのブルーの万年筆を使っているが、これは先の細さといい、手帳用にぴったりである。少しインク漏れがするが(イタリア製は少し雑であったりする)、手が汚れるのもあまり気にならないほど気に入っている。
この万年筆を忘れて、自宅で手帳から手帳に写す時に手元にないと、イライラするほどの気に入りようである。
インクはブルーブラックである。黒と違って目に入り込んできやすいし、他の人と少し違うことが好きな私としては、ブラックは嫌なのである。
今万年筆は今ブームらしい。ただ、万年筆は高い。1本5万円とか平気でする。しかし、最近雑誌にもよく掲載されているように、他の人と違う万年筆を1本はもっていたいものである。