読書日記「百年の孤独」
冬の夜空は夏に比べて空気が澄んでいるので、星が見えやすい。最近はしていないが、前は庭で葉巻を吸いながらオリオン座やカシオペア座、北斗七星などを探して眺めていたものである。今も仕事から帰る自転車で星をみながら帰ることがある。去年だったか星座の本を買ってきて、夏の星座も少し勉強した。
星を見ながら不思議に思うのであるが、星との距離は光年で表されるほど遠いものである。光が1年に進む距離を光年(こうねん)というのだが、光は1秒間に地球を7周半するほどの速度で進むので、光が一年間に進む距離は膨大なものとなる。ざっと1光年というのは、約10兆キロメートルにもなるのである。
そうすると、1光年離れている星が放った光は1年後に地球に到達するので、今私が見ている星の光は、1年前の星の姿ということになる。ちょっと考えられないような距離である。ちなみに、太陽の光は地球に8分程度で到達するということである。
そして、たいていの星は、地球から数千光年離れているということなので、我々が見ている星の光は数千年前のものということになる。
オリオン座大星雲で約1600光年離れているので、オリオン座大星雲の今見ている光は、今から1600年前に星を出た光ということとなる。1600年前というと、平安時代くらいであろうか。人間の一生と比べて、宇宙の営みのなんというスケールと時間のゆったりしたことなのかと感慨にひたったりする。自分の存在が、いかにちっぽけなものかということも実感する。
引き受けている事件も弁護士側からすれど細かいことで話し合いがまとまらなかったりすることがあるが(当人たちにとっては一生の重大事なのだが)、そうした時、こうした宇宙的規模の発想で何とかまとまらないかなどと考えてみたりするのである(まあそんなこと依頼者に言っても怒られるので心の中だけで思っているのだけなのあるが)。