読書日記「百年の孤独」
大学に入り20歳となると、未成年者ではなくなるため、多くの誘惑(ここでは、消費者被害的誘惑とするが)がある。
その中で、もっとも多いのが「名義貸し」である。私の事務所のホームページでも書いた話題であるが。
先輩などから、「いいバイトがある」として、その中身を聞くと、「消費者金融に行ってお金を30万円借りて来るだけで、その中から5万円もらえる。あとの25万円は、ある人に渡せば、その人が返済してくれるから、割のいいバイトだ」「他の人を紹介すれば、5万円貰える」として、「濡れ手に粟っスね」などと言ってバイト感覚で金を借りて友達を紹介して…。
最後には、「ある人」がお金を返さなくなって、消費者金融から督促が来るというパターンである。知人から泣きつかれて、「自分では借りられないから、あんたの名前で借りて欲しい。絶対に返すから」というパターンもある。後者の例は、後々破産に至る人によくある最初の借り入れ例でもある。
お金を貸す方からすれば、そのお金を何に使おうが知らないのであって、あくまで借り主は名義人である。前の例でいえば借りた学生であり、後者の例でいえば頼まれた人が借り主である。消費者金融との関係では、「自分は名前を貸しただけです。借りた人に言って下さい」は原則通用しない(消費者金融が知っている場合は別だが)。
こうした名義貸しは、後になって名義を借りた人が返さなくなる確率は私の経験上100%である。そもそも、自分で借りられるのであれば、自分で借りるはずであり、自分で借りないのはその時点で返済能力に問題があるからなのである。
学生の例だと、最初被害に遭った学生は、「よいバイトだ」ということで次の学生を引っ張り込んだ時点で加害者にもなってしまう。そうすると、それぞれの学生の間で、加害者と被害者が出来上がってしまうのである。
こうした事例は日本国中どこかで発生している。そんなに簡単にお金が稼げれば、世の中苦労はないはずである。笑う人もいるであろうが、有名国立大学の学生でも引っかかっているのである。
もしこうした被害に遭ったら、最寄りの弁護士会の法律相談に行かれることであるが、消費者金融と、真の借り主が「グル」のような場合でなければ、中々抜本的解決は難しいのが現状である。