読書日記「百年の孤独」
20歳になった途端によくある消費者被害として、「デート商法」があげられる。
全く女性に縁がなかったA君のところに20歳になった途端に、高校時代のクラスメイトの女の子から電話がかかってくる。「暇だったら会えない?」というので、出かけていくと、店舗に連れて行かれてネックレスをつけられて、「似合う~」などとはやし立てられる。
そこで女の子と楽しくおしゃべりしているうちに、ネックレスかっちゃいなよ、となる。
購入の方法はクレジット会社を利用しての分割払いである。月々1万5000円程度なら…と購入を決定。女の子も喜ぶ。もっとも、こうした商品自体、価格が不当に高いということが言われている(質屋に持っていくと、数十万円もするものではなく、定価でせいぜい数万円といわれる)。クレジット契約というものは、クレジット会社が購入者に代わってこの代金を「立替払い」する。購入者は、毎月この代金の分割分に、クレジット会社の手数料を乗せたものを支払っていくわけである。
通常の分割払いで購入するのと違うところは、販売店には、クレジット会社から一括でお金が入るので、資金繰りがしやすくなり、少ない元手で大きい商売が出来るということにある。クレジット会社は、基本的には手数料が主たる収入の大きいものであるから、契約が数多くないと収益があがらない。そのために、多少怪しい契約でも審査を通してしまうのである。だから商品の価格の調査などはずさんである。購入者にとっては、実はクレジット契約はあまり利益はないのである。
こうしたデート商法の特徴的なところは、次々に商品を買わされて、最初は1万5000円だった支払が、5個も6個もアクセサリーを買わされて、毎月の支払が7~8万円となっていたりする過剰な支払となっているにも関わらず、クレジット会社は安易にクレジットを組んでいることである。
さらに、被害者は女性と話をするのが楽しいため、被害者意識があまりないことも大きい特徴である。
消費者契約法とか、特定商取引法で何とかしようとするが、おおむね所得が低かったり、学生であるため、支払に窮して、信販への返済のために消費者金融で借りていたりして、クレジット契約だけを解決しても他の債務が支払えないため、破産となってしまうことも往々にしてある。
なお、破産となると、アクセサリーの所有権はクレジット会社にあるため、これを返却しろと要求してきて、これを転売してその差額を債権が存在するとして請求してくるのであるが、だいたい30万円とかの価格でクレジットを組まされたアクセサリーが、転売すると3万円にもなればよいほうなので、いかに価格設定がいいかげんかがわかろうというものである。
20歳になったからといって、安易にクレジットを組まないことが重要であるし、こうした呼び出しを受けたらその女の子は完全に販売店とグルであるから、早々に立ち去ることである。